メンダコってどんな生き物?
メンダコは、深海にすむタコの仲間で、
「耳」のように見えるヒレがついた、ふわっとした見た目が特徴的です。
- 分類:頭足類(タコ・イカの仲間)
- すんでいる場所:およそ水深200〜1000m 付近
- 愛称:ダンボオクトパス(英語圏ではダンボの耳に似ていることから)
水族館でもなかなか展示が難しく、「レアキャラ」的な存在です。
深海はどんな環境?なぜ過酷なのか
メンダコの暮らす深海は、人間にとっては非常に過酷な環境です。
- 太陽の光がほとんど届かない暗闇
- 水圧は地上の何十〜何百倍
- 水温は 1〜4℃ 前後の低温
- エサとなる生物も少ない
そんな場所でも、メンダコは淡々と生きています。
特徴1:ぷにっとした体で「水圧」に耐える
深海では水圧が高く、固い空洞をもつ体だと押しつぶされてしまいます。
メンダコは
- 体の中にあまり空気を含まない
- 柔らかく、水と近い密度の体
を持つことで、水圧の変化の影響を受けにくくしています。
「柔らかいからこそ生きられる」
という、深海生物に共通する戦略のひとつです。
特徴2:ヒレを使った省エネな泳ぎ方
メンダコの「耳」に見える部分は、実はヒレです。
このヒレをゆらゆら動かすことで、強く泳がなくてもゆっくり漂うように移動できます。
- 無理に速く泳がない
- 体力をあまり使わない
- ふわふわと浮遊するように動く
深海ではエサが少ないため、エネルギー消費を極力おさえることが大事。
メンダコの泳ぎ方は、そのための省エネ設計だと言えます。
特徴3:主食は「底にたまった小さな生き物」
メンダコは、海底付近にたまった
- 小型の甲殻類
- 多毛類(ゴカイなど)
- 有機物のかけら
などを食べていると考えられています。
高速で獲物を追いかけるのではなく、
近くにある小さなエサをコツコツと食べるタイプの捕食者 です。
特徴4:無理に群れない「ソロ活動」
メンダコは、大きな群れを作るわけではなく、
個体ごとにばらばらに生活していると考えられています。
エサの少ない深海では、
- 大きな群れ → すぐに食料不足になる
ため、単独行動のほうが有利 な場面が多いのです。
まとめ:かわいい見た目の裏には、深海で生き抜くための工夫がつまっている
メンダコは
- 柔らかい体で水圧に耐え
- ヒレを使って省エネで泳ぎ
- 小さなエサを拾いながら
- ひとりで静かに暮らしている
という、深海ならではの生き方をしています。
水族館で見かけたときは、
その「ふわふわしたかわいさ」の裏にある、
過酷な環境を生き抜くしたたかな戦略 も、ぜひ想像してみてください。


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