イルカはなぜ片目で眠るの？「半分だけ睡眠」のしくみ

イルカは「片目で眠る」って本当？

イルカは水の中で生活する哺乳類です。
実はイルカは、眠っているときでも
片目が開いていることがあります。

なぜイルカは、目を閉じてぐっすり眠れないのでしょうか。

イルカには
「半球睡眠（はんきゅうすいみん）」という特徴があります。

これは、脳の左右のうち
片方だけを眠らせ、もう片方は起きている状態です。

起きている側の脳は、
周囲の状況を監視したり、
体の動きを保ったりしています。

人間は寝ていても無意識に呼吸できます。
しかしイルカは、息をするために
水面に上がらなければなりません。

つまりイルカは、
完全に意識を失うと
呼吸のタイミングを逃してしまう危険があります。

そこで脳の半分を起こしておくことで、
安全に呼吸しながら休むことができます。

海の中には、
イルカを狙う危険な生き物もいます。

もし完全に眠ってしまうと、
敵に気づくのが遅れます。

片方の脳を起こし、
片目で周囲を見ていれば、
危険を察知しやすくなります。

イルカは状況によっては、
ゆっくり泳ぎながら休むこともあります。

群れで行動しているときは、
仲間と一緒に動きながら
交代で休むような形になります。

「止まって寝る」のではなく、
「動きながら休む」ことが
イルカの生活に合っているのです。

イルカは、
海で安全に生きるために
「半分だけ眠る」という方法を進化させたのです。