フクロウは“首だけで後ろを見る”ことができる
フクロウはなんと 首を270度近く回すことができる 鳥です。
まるで体が動いていないかのように、首だけが大きく旋回します。
これは他の動物にはほとんど見られない特殊な能力です。
① なぜ体を動かさずに首を回す必要があるの?
フクロウの目は「前向きに固定」されており、
目だけを動かすことがほとんどできません。
そのため…
- 周囲を見渡す
- 音の方向を探る
- 餌や敵を見つける
といった場面で、首を大きく動かす必要がある のです。
② 骨の数が多いから大きく回る
人間の首の骨(頸椎)は7つですが、
フクロウは 14個も持っています。
骨の数が倍あることで、
- 大きな可動域
- 滑らかな回転
が可能になります。
③ 血管の“クッション構造”がすごい
普通の動物なら、首を270度も回すと
血管がねじれて脳に血が届かなくなり、命の危険 があります。
しかしフクロウには特別な仕組みがあります。
✔ 血管が太く余裕がある
✔ 血管の周りに空洞があり、ねじれに強い
✔ 回転中も血流を確保できる
まるで “頑丈なホース” のような構造になっているのです。
④ 首を回すとき、骨が互いに干渉しない
フクロウの頸椎は、
- くぼみが深い
- 関節の形が特殊
- 骨同士がぶつからない
という特徴があり、
大きな動きをしても引っかからないようになっています。
⑤ なぜ270度なのか?
360度ではなく 270度付近で止まる のは、
- 血管・神経の限界
- 骨格の構造上の最大角度
がそのあたりだからです。
しかし実際には「270度でも十分すぎるほど視界が広い」ため、
フクロウは体を動かさずに周囲を完全に把握できます。
まとめ:フクロウの首は“進化が作ったスーパースキャナー”
- 頸椎が14個で可動域が広い
- 血管がねじれに強い構造
- 関節が干渉しない
- 動かせない目を補うために進化
フクロウは、
静かに獲物を見つけるための“ハンター仕様の首” を持っています。


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