「ゴキブリは核戦争でも生き残る」は本当か?
よく「ゴキブリは核戦争が起きても生き残る」と言われますが、これは半分は誇張、半分は事実です。
実際には、人間より放射線に強いのは確かですが、「何をしても死なない不死身の生物」ではありません。
それでも、ゴキブリが何億年も姿をほとんど変えずに生き延びてきたのは事実です。
では、なぜここまでしぶとく生き残れるのでしょうか。
理由1:雑食性で「食べ物をほとんど選ばない」
ゴキブリは、ほぼ何でも食べます。
- 残飯
- 植物
- 紙
- 皮
- 死骸
- 自分たちのフンや仲間の体
など、普通の動物なら「食べ物」とカウントしないようなものまで栄養源として利用できます。
つまり、
「食料が少ない環境」ほど、ゴキブリが有利になる のです。
理由2:体が丈夫で、乾燥や飢えにも強い
種類にもよりますが、ゴキブリは
- 水なしで1週間以上
- 食べ物なしで1ヶ月近く
生き延びた例が報告されています。
また、体表が硬く、乾燥に対してもある程度強い構造になっています。
こうした「ギリギリの環境でも生き残れるタフさ」が、長期的な生存につながっています。
理由3:繁殖スピードが速い
ゴキブリは一度に多くの卵を産み、
しかも成長スピードも早めです。
- 種類によっては1回で30〜40匹ほど孵化
- 温度と湿度が高い場所では成長がさらに加速
捕食者や人間によってある程度駆除されても、
次の世代がすぐに増えてくる 構造になっています。
理由4:暗く狭い場所を好み、人間の生活空間に適応している
ゴキブリは
- 暗い
- 狭い
- あたたかい
- 湿気がある
といった環境を好みます。
これは、そのまま「人間の住環境(建物のすき間・台所まわりなど)」とかなり一致します。
人間が建物を作り、都市を発展させればさせるほど、
ゴキブリにとっては 新しいすみかが増えていく ことになります。
理由5:放射線や薬剤への「ある程度の」耐性
「核戦争でも生き残る」というイメージの元になっているのが、放射線への耐性です。
人間よりは高い線量にも耐えられることがわかっていますが、
無限に耐えられるわけではなく、致死線量を超えればゴキブリも死にます。
ただし、
- 体が小さい
- 細胞分裂のタイミングの違い
- 代謝の違い
などから、結果的に人間よりは「ダメージを受けにくい場面が多い」と考えられています。
それでも「ゴキブリは不死身」ではない
ここまで見ると最強のように思えますが、ゴキブリも
- 極端な寒さ
- 徹底した衛生管理
- 捕食者の多い環境
などでは数を減らします。
ただし、人間の生活が続くかぎり、完全に絶滅させるのはほぼ不可能 と考えられています。
まとめると、ゴキブリは「不死身」ではないけれど、
「環境への適応力と生存戦略が異常に高い生き物」と言えます。

コメント